今週の絵本は『くすのきだんちは10かいだて』
可愛いモグラのもぐが、団地を紹介してくれる絵本です。
ツリーハウスのように仕上げていく難しさを、
どんなふうに子どもたちは表現するのかな〜と楽しみにしていました♩
▶︎水曜幼児
今月から始まったので、初回です!
お母さんと離れることを想定していなかったのか、別れ際「なんで?」と戸惑っていましたが、お母さんの「また迎えに来るね」に手を振ってくれました。
「電車とか、街をつくろうかな」と自由遊びがスタートしそうだったのですが、「今日はね、この絵本を読んで、ツリーハウスに挑戦しようと思うんだ」と伝えます。ちょっと不服そう(笑)だったのですが、「その後、団地の周りを、街にしてみようか」ということで、活動がスタートしました。
自分の思いもよらなかったものに挑戦してみて、思わぬ達成感や関係性が生まれることを少しずつ体験して行ってほしいなと思っています。
↑ニョキニョキ枝が出ているところは、重しをして、バランスを取ろうと頑張っていました。
(途中わざと突いて倒してもいました 笑)
団地作りの後は、お待ちかねの電車と線路!
すごく集中して、静かに電車を走らせて、壊れてしまっては、なおし、途中目があうと、ガシャーンとわざと崩したり…のびのびと遊んでいました。時間が足りなそうでしたね。水曜クラス、これから人数が少しずつ増えていくことを期待して…。
▶︎金曜幼児クラス(15時〜)
土曜のお振替のお子様1名で、マンツーマン積み木。ちょっと寂しいかな?と思ったのですが、入ってまもない彼とじっくり積み木ができたおかげか、すごく充実した90分でした。
絵本をじっくり聞いて、木の幹の表現を始めたところ、「入り口が必要だね」「窓もあるといいよね」とたくさんのイメージが言葉として出てきました。この積み木でやってみる?と対話をしながら制作。形が見えてくると、「先生は向こう作って、僕はこっちやるから」と1人で没頭し始めました。40分ほどで完成し、あとは自分の世界観との融合を。線路や自分のお家を作ってみて、電車を滑らせて遊びました。とっても可愛いくすのき団地ができたね!
▶︎金曜幼児クラス(17時〜)
絵本を読んだあと、みんなで一つの団地を作るか、一人一人作るかの相談が始まりました。ある女の子が「私はくるみ亭(レストラン)を作る!そのあとみんなで繋げよう!」といってくれたので、それぞれが作り始める没頭タイムへ。しばらく無言の時間が続きました。提案してくれた子がいち早くレストランを完成させ、「これ(レストラン)を、そっちに乗せるよ!」とやる気満々。みんなが「え!?」となり、どうやら、彼女はレストラン部分を作って、みんなが作った木の方へドッキングさせるつもりだったようです。いきなりそんな展開になって、みんなは大丈夫かな?と心配したのも取り越し苦労で、「いいよ〜のせちゃって〜」と気の良い仲間たちでした。もう1人が作っていた木とも合体して、たくさんのツリーハウスが連結していて素敵でした。
ある子が作ったの屋根はスカスカしていたので、雨が降ってきちゃうね、と何気なく伝えると、
「雨漏りする家だと、蛇は怒って帰っちゃったよね。蛇が帰ったら、こうやって、屋根が増えるんだよ(長板を追加しながら)」とストーリーに即した家を制作。3人が、その家の構造を面白がって、「それいいね、ほら蛇が来たよ!」「屋根開けてー急いでー」と遊んでる様子はとても微笑ましかったです。
(文字にすると伝わりにくいかと思いますが、ぜひ、絵本を読んでみてくださいね)
▶︎土曜幼児クラス
絵本を読んだ後黙々と積み始める子、内装を整えてから進む子、アプローチはさまざまでしたが、「とにかく手を動かしてみよう」というのが伝わってきました。遅れてきたお友達に、「ここ使っていいんだよ、これもあるからね」と色々教えてくれる女の子。みんなが一緒に楽しもうとしてくれたことがとても嬉しいです。
脇目も振らず、無心に作っていた男の子。私が別の女の子に「ワールドピース出そうか?使い方わかる?」なんて言葉をかけると、「え、それってなんだっけ?僕も使いたい」と寄ってきました。どんなに集中していても耳はちゃんと聞いてるんですね。たくさん使いたい子、全く興味がない子、さまざまでしたが、たくさん重ねて積んでビーズを詰めていたのにはびっくりしました。(写真2枚目)
みんなのくすのき団地に道路や橋が架けられて、山脈が出来上がるとお待ちかねのお人形タイム。お人形でおままごとが大好きな子たちは、ニコニコで楽しんでいました。
▶︎土曜小学生クラス
おやすみ&振替でいつもとは違うイレギュラーなメンバーでしたが、約1年ぶりに再開した2人。
お互い何となく顔馴染み感もありました^^
クラス毎に、くすのき団地をどこまで再現するかは、さまざまですが、このクラスは「今日は自分の作品に没頭します」と「忠実に再現します」の2手に分かれました 笑
男の子の方は、電車や駅などを作り、最後はみんなのお家まで作ってくれて、鼻歌混じりで終始ご機嫌でした。片付けたくない気持ちがあって最後はちょっと気落ちしてしまいましたが、それだけ大切な作品ができたということですよね。本当に、ありがとう。女の子の方は、1年でできることがぐんと増えたように感じました。ここはこうしたい、こっちの積み木を使ったらいい、いろんなアイデアもありましたし、レストラン「くるみ亭」を宙に浮かすことができなかった時に、「柱を立てよう!あ、みて〜立てたらこの部屋の窓からは柱しか見えない、ふふ」と変なところに気がついたり面白がれるセンスが、密かに好きです。10階まで作りたかったのですが、時間切れ&届かない・・・ということで、8階のかけすのお家が一番上に。最初から最後まで、一緒に頑張ってくれてありがとう。お疲れ様でした。
こんなに立派なもの作品を、最後まで、じっくり取り組める1年生、なかなかいないと思います。この時間は、本当に宝です。
話はそれますが、小学生にもなると、学校での顔と、家での顔が違う時があると思います。
そのどちらでもない教室、どんな顔でもいいのですが、ここではただ純粋に「子ども」であって欲しいなと、思います。子どもが、子どもらしくいられて、どのペルソナも必要のない場所でありますように。
▶︎日曜親子クラス
『くすのきだんちは10かいだて』の中には、蛇が出てきます。その蛇は、かけすの卵を狙う悪役として登場するのですが、ある女の子は、蛇を撃退するお家を作りつつも、蛇が座れる椅子も用意してくれており、お部屋の中には、ワールドピースをベンチに見立てて、たくさんのながい椅子が並んでいました♩
始めはそれぞれに好きなことをしていたのですが、だんだんと、物語の中に入るような、みんなで遊ぶ時間が増えてきました。この物語に登場するレストランくるみ亭を用意してみると、みんなが食べ物やお皿、お人形を持って集まってきます。人形の座り方に違いがあるのがわかりますか?(写真3枚目)
右側は、子どもが、左側は私が座らせたものです。足を閉じて、着地するように座らせているんですって!
驚きです、そして足を広げて座らせようとしたママが怒られました 笑
子どものこだわりは細部に、そして見えないところにあるのだと感動しますね。
1人が収納箱で電車を始めるとみんながそれに乗り、集中しだすと、集中して…みんな1年でとっても成長した気がします。来月は進級、さらに積み木遊びがパワーアップしていくことが楽しみです♩
▶︎日曜幼児クラス
振替のお子様含め5名でスタート。初めての子でも仲良くできる日曜メンバーはみんな心根が優しいです。
二手に分かれて、木を作り始めます。隣の子が気になりつつも、自分のやりたいことはしっかり伝えて、私自身は大忙しでしたが、みんなの「やりたい」がたくさん感じられました。
絵本の中に「レストランくるみてい」という看板があるのを見つけ、「書きたいな」と誰かが言えば、「僕もやってみたい」とみんなが殺到。分担したり、手助けしたりしながら、看板作りも成功。
ある男の子は、団地作りに興味はなく、ボールの道や、前回作ったお雛様をたくさん並べてみたり、ノンストップで自分のやりたいことを実現させていました。そんな彼を誰も否定せず、ビーズが溢れそうだ!と慌てていると、遠目にみんなが心配そうに覗き込んでいました。
くすのき団地のようなツリーハウスは、とても難しいですが、作品づくりはきっかけにすぎません。
絵本の通りに作れなくても、うまくいかなくても、何か一つでも「こうしてみたい」という主体的な思いや、小さな成功、失敗、挑戦が全て、積み木で「自分らしさ」を育てていくことにつながっていると思います。
▶︎日曜小学生クラス
おやすみが多かったので、(いつもよりは)ちょっと静かなスタートでしたが「くすのきだんち」を作ってみよう、というと、「大変そうだ、難しそうだ、めんどくさそ〜」という声が・・・
めんどくさいなんていわないでよ〜と思うのですが、その理由を色々考えてします。
(長くなるので、後半へ譲ります)
さて、みんなが思い思いに木を作り始め、男の子兄弟たちは、少し積んで、俯瞰して、ふらふらっとして、「そうだ!」といった感じで、没頭するときは無言で積んでいました。自分でやってみたいことを見つけられるのは素晴らしいことだと思います。
今日は女の子が1人しかいなくて寂しい、と言っていた子、「私も女の子に入れてくれ〜」というと苦笑い 笑
どうしたらいいかわかんないな〜先生と一緒にやりたい、と言いつつ、やってみたいことはある、そんな気持ちを感じました。どっちかというと(自惚れだったらごめんなさいなのですが)わたしと一緒に作りたい、という感じ。もちろんそれは大歓迎です!Neiroの子どもたちは「手を出してほしくない!」という子と、「友達と一緒にやりたいな」という子を色々です。みんなが「積み木を通じて」楽しさ、協働すること、助け合うこと、認め合うこと、対話が広がればいいと思っています。一人一人の楽しみ方に、私も勉強させてもらっています。
みんなの弟分(は2人いるのですが)は今日も「自分のやりたい!」はしっかりもっていました。
1人は賑やかに、1人は黙々と積み木に向かっていました。どうやったらバランス良く長板をさせるかじっくり考えて、”人の手出しは無用です!”という子に対して、「あれもやりたい!」「これもやりたい!」「あぁ時間が足りない!」と慌てているうちに壊れてしまったりする子(本人は大真面目なんだけど、ちょっと落ち着いて〜といつも目を細めてしまう・・・笑)
どちらの子にもみんなが認め合う空気感があったように思います。
次回は年度最終日。この日で卒業の子もいますが、最後まで楽しく、夢中に遊べるよう、
私も楽しみにしています!体験レッスンはこちらから。
さて、話は戻って、先ほどの、「めんどくさい」の話
なんでも倍速で見られて、出来上がるまでの地道な長い時間に、免疫が目減りする現代です。
0から、何かを積み上げていくことへ「時間がかかりそう」ということは、子どもにとってもマイナスポイントなのでしょう。今日も窓づくりに時間をかけていた小学生が、「ここで時間食ってしまった」と呟きました。
確かに、90分(正味75分)の中でやりたいことが溢れている小学生クラスですので、「時間がかかる作業」はちょっと面倒に感じるかもしれません。「先生そこ積んでおいて!」と言われることも多々あります。
しかし、この地道な作業が子どもの心に達成感を与えるものだと思います。
(没頭できる子にとっては、時間がいくらあっても足りないのかもしれませんが、さっと完成させてしまいたい、という空気を纏った子どももいるのも事実です。)
また、正直な話、「じっくりと楽しむ時間」や「待つ時間の使い方」は教室だけでは培えません。
生活の中で「早く、手早く済ませること」よりも「じっくり取り組んだこと」「時間をかけて考えたこと」に評価を置くようにしていかなければ、この傾向はどんどん深まってしまうと思っています。
手早くすむものが好まれるのは、やはり動画文化が最たる弊害だと思っています。
(おそらくもっと前から…バラエティ番組などのテロップなども走りだと思っています)
かくいう私も動画を1.5倍速などで見たりします。その弊害として、少しの間や待ち時間が苦手になっていると、自分でもわかります。タイパ思考だけは、体に入れたくないのですが…笑
そんな私が言葉にしても、なんだか説得力に欠けますが、子どもにとって必要なことは、何事もじっくり時間をかけ、その熟成を待つことだと思います。
子育てにも同じことが言えそうです。手早く見える成果より、何年後、何十年後に花開くかもわからないことを信じてじっくり過ごすこと。そこにたえずあり続けること。
(私自身は、それに結果が伴わなくても、落胆せずにいられる愛情とは、ということをよく考えます)
「じっくり待つ」を合言葉に、保護者の皆様には、どうぞ一緒に、歩んでいたければ幸いです。
ではまた!